バライタ印画紙の復活
投稿者:MARK12さん

スノーマンさん、みなさん、こんばんは。
今回、富士写真フイルムから新発売されたのは、「フジブロマイド レンブラントV」
という商品名の往年のバライタ紙を使った引き延ばし用黒白印画紙で、大全紙サイズ
まで用意されています。

通常の印画紙は紙の表面が樹脂でコーティングされていて、RC(確かレジン・コー
ティングの略だったと思います)ペーパーなどと呼ばれています。
コーティング紙がベースなので現像、定着後の水洗時間も短く、乾燥も早いです。
また自然乾燥でも平滑な表面が得られます。現像所向きのタイプとも言えます。

バライタ紙は普通の厚めの紙に近いもので、薬品や水を紙全体が吸ってしまいますの
で水洗時間が長くかかりますし(ちゃんとやらないと変色等しやすい)、光沢面を得
るためには平滑な面に貼り付けて乾燥させる必要がありました。
しかし、写真展示用に全紙サイズなどのパネル貼りにするには最適でした。
水洗後の生乾きの印画紙か乾燥した印画紙には霧吹きして湿らせ、木製のパネルの枠
の部分に印画紙の余った縁の部分を折り曲げて貼り付けるかホッチキス止めして固定
させます。印画紙が乾燥すると、縮んで張力によりピーンと張ったような状態になり
ます。パネルの縁は化粧テープなどを貼って見栄えを良くしていました。
70年代はまだ黒白写真も盛んだったので、黒白写真展示にはバライタ紙のパネル貼
りが中心だったと言えるでしょう。

RCペーパーの印画紙では、展示用額に納めるかパネルへの粘着になりますね。
近年のコーティング印画紙では、バライタ紙的な半光沢面を得るためのシルキー調な
ども用意されていました。
バライタ紙は一部のメーカーで細々と生産が続けられていましたが、これで往年のバ
ライタ紙が本格的に復活ですね。それだけ需要が出てきているのではないでしょうか。


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