ハッセルの白と黒
投稿者:MARK12さん

<ハッセルブラッドの白と黒ボディについて>
ハッセルには70年代の途中から黒塗り仕様も追加されました。
500C/M、500EL/M(モーター内蔵機)、SWC/M(38mm
広角付のビューファインダー機)などのモデルからですね。
近年の501シリーズは逆に黒しかなかったと思います。

ハッセルのボディは、アルミ合金ダイキャスト製で、その上を厚い亜鉛合金
メッキが被せてあり、さらにその上を保護のニッケルまたはニッケル・クロ
ームメッキが施されているようです。
黒モデルは、その上を何層かの黒色焼き付け塗装にし、クロームモデルは、
厚いニッケル・クローム光沢メッキを施されているようです。

初期の黒モデルはかなり光沢のある塗装でしたが、途中から世の多くのカメ
ラと同様に半艶塗装に切り替えられました。
擦れや傷に対する耐久性は、黒は一般の黒塗りカメラと同様です。
塗装は厚めですが、やはり剥げれば灰銀色の金属下地が見えてきます。
黒の標準フォーカシングフードの蓋部やフィルムマガジン外装などは、剥げる
と下地が比較的艶のあるクロームメッキに見えます。

黒ボディでの注意点は、剥がれた部分の補修塗装をする場合です。
下地金属が露出している箇所に溶剤がシンナー系の普通のラッカーなどを塗ると、
剥がれた部分の周囲の塗装が浮いてめくれてしまいます。
溶剤が塗膜の下に染み込んでしまうようで、下地が滑面のメッキになっている
からでしょうか。剥がれた部分を水性ラッカーなどで埋めて金属下地を完全に
覆ってから通常のラッカー塗りをするといいようです。

白ボディは、表面が非常に硬いクロームの厚メッキですから、擦り傷はスクラッ
チ程度で済むことが多いですね。下地はそれ程硬くないアルミ合金ですから、
ぶっつけるとメッキごとへこむ感じがします(メッキが剥がれることは少ない)。
傷による小さな変形や下地金属腐食によるメッキ面のぶつぶつなどは、クローム
メッキの上を硬い金属へらなどで押さえて成形したり、滑面にする荒技も程度に
より可能です。真鍮板に梨地クロームメッキでは、こうはいきませんね。

白と黒モデルの共通事項ですが、
ボディのマウント、レリーズやレンズ着脱ボタン、側面のアクセサリー取り付け
レール部そしてフィルムマガジンの開閉キィーなどは、真鍮にニッケル・クローム
メッキです。この辺のクロームメッキに剥がれがなく、真鍮の下地が出ていないも
のが望ましいですね。特に開閉キィーの部分は渦目仕上げになっていて、指の汗や
汚れが渦目ラインの溝にたまって錆びやすいですから、こまめに清掃したほうがい
いでしょう。

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