カメラと防滴
投稿者:MARK12さん

濡れた傘などが密閉状態に近いバッグなどの中に入っていると
湿度95%以上の状態になることが考えられますね。
その状態が長時間続くと、カメラなどの内部にも水蒸気が侵入して
高湿度状態になるものと思います。

メカ部分なら多少の水分は大丈夫と思いますが、レンズの内部だと
曇った場合は、撮影に直結するので困りますね。
レンズ鏡筒内の温度が比較的高いうちは水分は水蒸気状態なので、
割と透明でしょうが、鏡筒内の金属部分に固定されたガラスのレンズは、
周囲温度が低くなるとレンズ内空気よりも早く冷えるのでしょう。
その結果、結露することになりますね。レンズ面に付着した水分の蒸発
速度にもよりますが、こんな時に限って周りの空気の湿度も高いでしょ
うから曇った状態が長時間続くこともあるでしょう。

時計などでも内部に侵入した水分が多いと、ガラスが曇ることがあります。
特に腕にしている状態では、外気に直接触れるガラス面の温度が時計内部
より低くなりがちですから、文字板とガラスの間にある空気の水蒸気が、
ガラス裏面に結露して曇ることになります。
防水時計の検査でも時計(ケース)を暖めておいて、ガラス上面を水で
湿らせた布などで冷やして結露状態を見る方法があります。多少結露しても
すぐ蒸発するようなら、おおむね良となります。
非防水のものは、水が入りやすいが抜けやすい。防水や防滴は、水が入り
難いが、入ってしまうと抜けにくいというという性質があります。

カメラの内部にも、時計と同様に許容水分量というものがあるのではないかと
思います。その値以下ならあまり問題はないということでしょう。
もっとも機構部分のオイル、グリースや接合レンズの接着剤のことなどを考え
るとあまり乾燥した状態も良くないでしょうね。

水に弱い電子回路満載のカメラには、防滴仕様のものが高級機を中心に増えて
きていますね。超望遠レンズなどでは防滴化の例もありますが、これからの課題
は常用レンズ群の防滴化でしょうか。
AFレンズにはメモリ、CPU、フレキシブルプリント板それに駆動モーター
などの電子部品がありますから、レンズ面への結露以外にも水分の侵入を防いだ
ほうがいいですね。
ズームレンズなどでレンズ群のスムーズな移動を得るために鏡筒の内外の空気
を出入り出来るようにしているものも多いと思いますが、防滴化の上では、
レンズ内部だけでクローズドループ的に空気を動かすことが必要となるのでは
ないかと思います。更に周囲温度変化によるレンズ内圧力の増減を調整する必要
がある場合は、レンズマウント面内での対応でしょうか。実際の防滴レンズは
どうやっているのか興味があります。

ちなみに防滴は防水とは違います。水圧がかかることは対象外ですね。
激しい雨や軽いシャワー位なら耐えるべきでしょうが、水を上から落とすなどの
試験は局所的に思わぬ水圧がかかります。防滴の試験としては論外の気もします。

10気圧防水(100m防水とは違います)の時計は静かに水の中に浸して、
90m相当の10気圧の静的圧力に耐えるというものですが、水道の蛇口から
勢いよく出した水流などを当てるのは好ましくありません(防水パッキンは全体
に均等に圧力がかかることが前提ですから)。

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